第二期塾生最終レポート

三石晃司 中村浩輔 大野敏 櫻井晃太郎


三石晃司

日本人としての誇りを持って出来ることから始める

 

 私は、日本人がグローバル化の社会で競い合うことができるのか、というテーマを持ち、期待と不安をもって入塾しました。

日本人には、習合といったように器用に他の文化を取り入れる、神道の時代から見るような自然との共存・共生。和を大事にする精神。清らかであることを是とする心。といった素晴らしいものが根付いていることを学ぶことができました。

 

 私は海外での経験やつながりが全くと言っていいほどなく、学んだことがいまいちピンとこないこともありました。しかしながら、ワールドカップでの日本人の行動を取り上げる世界各国のメディアを見ると、「日本人のこころ」はどの国にも備わっていない、大変誇らしいものだと実感しました。

 

 地球の資源は限られている。そのことに気付き、温暖化などにより実感し始めた人類。課題はグローバル化していて、国家間の連携、協力そして各国の行動が求められています。解は1つではなく、様々なアプローチがあると思います。そんな中私たちに根付いている調和や責任感、そして人としての清らかさ、美しさはまさに世界に対して活躍できる武器になるものだと感じることができました。

 

 現代は、経済的な格差が大きくなっていることがクローズアップされることもありますが、物が飽和し、一定の経済的な保証もされており、社会をもっと良くしていこう。という気持を持たなくても生活できてしまいます。自分さえ良ければよいということではなく、改めて過去の偉人たちに学び、自分たちから道を切り開く必要があるように感じます。

 

 世界規模の課題に自身に何ができるのか、日本人として何ができるか、大それたことを行うのではなく、例えば、環境問題を考えて、(海の近くに住んでいるので)海野ごみ拾いに参加し、その輪を広げていくだとか、世界規模での課題に身近なところから取り組んでいこうと思いました。

 

 最後にアイデアとして、日本人の一人ひとりが自分が日本人らしいなという行動をインスタグラムやツイッターなどを活用し、発信する「OneAction OneTweet」若しくは「SamuraiAction」(ネーミングセンスはありませんが)という活動ができないかと考えています。仕事の都合などで欠席することも多くありましたが受講した会で「日本人のこころ」に触れたことで、私自身誇りを感じることができました。しかし、今は特別にそのような時間を設けない限りは実感する機会もありません。そこで、日本人らしいなというアクションを誰もがフリーにツイートし広げていくことで、日本人のこころを実感したり、考えてみたり、ちょっとした行動につながったり、ボトムアップ、和を大事にする日本人の心に期待して草の根活動を広げられたらいいなとも考えています。余談でした。


中村浩輔

 日本人が培ってきた心は現代の人類の善意・正義の中心にあり、日本人は全ての人類が手を取りあう手助けができる立場にあると信じるものです。

 

 私は講義に後半はほぼ直接参加することが叶いませんでしたが、今回の機会をいただき、改めて日本人としての誇りと心の素晴らしさに確信を持ち、今この時から実践するものです。

 

 まずは、日本の国土の大半を占め、心を育んできた中山間地域の国土を守るべく、田畑山林の存在意義を地域の伝統文化と照らしながら見つめなおし、食糧・エネルギーの地域循環型社会の人本主義の再形成を行います。

 

 日本人特有の地政学を活かした地域産業起こしのビジョンを来年より行っていきます。ホームページや漫画、アニメーションを用いて世界にも同時に発信していければと考えます。

 

 また、長期的ビジョンでは中山間地域でのSDGs4.0、CSV事業を基本としつつ、その自給、日本の心を未来永劫守っていける基礎を固め、日本全土で宇宙産業の中心を担う一助になる政策の立案をもって、世界・社会に対しての模範を示し、この星を、人類への助けとなるべく邁進して参ります。

 


大野敏

 世界規模で資本主義経済の高度化、効率的な体制の追求が進むなかで、個人と社会に、無関心と分断が進んでいます。そして、このことが対立を惹起し地球を含めた社会の持続可能性を脅かしています。一方、資本主義の価値観には抗い難い魅力があることも事実です。とすれば、個人と個人をつなぎ、社会と社会をつないで、利他の精神で解決策を見出し実行していくことが不可欠です。「何かと何かをつなぎ、対立を超え、新たな価値をつくる」。この思考そのものが「日本のこころ」だと思います。「日本のこころ」は包摂的です。状況にあわせて変化する柔軟性、敗者を包含する包容力、一人ひとりの経験と能力を協調させる現場力、全体(チーム)の中での自分の役割の認識など、社会(世界)全体をひとつのチームと捉え、課題を有機的に解決する知恵として、「日本のこころ」は貢献できると考えます。

 

 一方、「日本のこころ」には、インプット、アウトプットの両面で課題があると感じます。まずインプット面では、できるだけ多くの人が、意識的に、「日本のこころ」に、経験として触れる機会を増やしていく必要があると考えます。「日本のこころ」は秘伝のタレのようなものです。秘伝のタレの容器に注ぎ込まれる昨今のグローバル化のタレのボリュームは多く、注がれるスピードも速くなっています。かつての「和魂漢才・和魂洋才」のように「魂」としての秘伝のタレを守れるかは、私たちのインプット自体が極めて重要だと考えます。またアウトプット面では、自分の持ち場で、自らの意思で、明るく自信をもって「日本のこころ」を発揮する(してよい)という意識改革が必要です(その先には、持ち場を超えることも必要です。)。ともすればこれまでは、「日本のこころ」の発揮のきっかけは、外圧によることが多かったように思います。また、私が10~20代の頃は、よく「日本人には個性がない」と言われ続けました。しかし、多様性のある社会を是とすれば、「日本のこころ」を持つことそれ自体が個性と評価できる時代になったと思います。

 

 社会に出て以来、上司から「評論家になるな」と言われ続けてきました。正直、意味が分からず苦悩したこともありました。しかし、今では、「自らの主張をするだけでなく、関係者の主張に耳を傾け、習合し、正しいと考える方向に、一歩でもよいから、チームとして近づくように具体的に実行・変化すること」だと考え、実践するようにしています。まさに「日本のこころ」そのものなのかもしれません。今後も、自分の置かれた立場(会社)で、実践を継続すること、更には持ち場を広げ、磨きをかけることを愚直に実行したいと思います。そして、人生100年時代。関心を広げ、業務外の持ち場でも、会社外の地域やボランティアなどの場(国内的な視点にとらわれすぎず)で、「日本のこころ」をともに経験する仲間や機会を増やすこと、刺激を受け合う場を設定することについて、背伸びせず、地に足をつけ、ステージを広げて挑戦していきます。


櫻井晃太郎

 大学生である私はあんまりこのような機会をいただけることはあまりない、そのためいい機会に恵まれたと思う。大学生にとって大人の方々と話すことは本当に良い刺激になった。

 

 基本はオンラインだが一度対面で皆様にお会いした時が一番印象に残っている。

 

 この会議はどのような「色なのか」という質問された。私は白色と答えた。なぜならまだ何色にも染まっていないような印象を受けたからだ。そのほかメンバーの皆さんは茶色や黒、藍色などのポップな色ではなく日本でよく見るような和式の色をみなさん答えていた。誰1人として自分の班では色は被っていなかったのだが、イメージはみなさん同じ感じを受けているのだなと思った。今私の通っている大学では多様多文化な世界にいるがこの塾は日本の心を思わせるような講義がたくさんあった。高校時代、日本史を取ってない僕に取っては様々な新しい発見を多くさせていただいた。ここの塾に通われている皆様も大変博識な方々ばっかりで毎回のディスカッションでは感心されられっぱなしだったと今振り返ると感じる。また大人になった時に皆さんと同じくらいのしっかり芯のある自分の意見を出せるようになりたいと思った。